Dynamical 3D、少量生産で70%のコスト削減を達成

重要なポイント:

  • 迅速な設計改良により1日で試作品を完成
  • Carbon Digital Light Synthesis™(DLS™)技術を用いて5つの異なる最終用途部品のセットを複数造形
  • エポキシ材料Carbon EPX 82はホットラボ用装置の厳しい材料要件を充足
  • 短中期運転時の生産において、射出成形と比較し70%のコスト削減を実現

 

TRFが製造しているホットラボ用設備

Carbon認定プロダクションネットワークパートナーであるDynamical 3Dは、Técnicas Radio Físicas(TRF) と協力して、Carbonアディティブマニュファクチュアリングプラットフォームで放射能センサーを生産しました。

スペインに拠点を置くプロダクションパートナーとしてはCarbon初となるDynamical 3Dは、3Dプリントサービスビューロー市場のパイオニアです。Dynamical 3Dチームは設計、スキャニング、3Dプリントサービスを使用して、国際的な企業が手頃なコストで3D造形技術の利点を活用することを可能にしています。

こちらもスペインに拠点を置く医学物理学のコンサルタント会社であるTRFは、ヘルスケアとサイエンスの両分野における医学物理学プロジェクトを設計、実行しています。同社は、放射性物質を使用するために設計された実験室であるホットラボ用の様々な種類の設備を製造しています。TRFは現在、核医学、液体放射性廃棄物管理のための減衰タンクシステム等の放射性物質を扱う複数のプロジェクトや、放射性医薬品や放射性薬剤の製造を支援するサイクロトロンプロジェクトの部品を設計しています。

 

課題:少量生産向けの柔軟な生産技術の発掘

TRFは今年、設計改良した放射能センサーを製造し市場投入するための広範な調査と実験を行いました。TRFが生産ソリューションを探す過程で判明したことは、射出成形のような従来の製造方法では短期運転時の金型コストが高く、桁違いな費用となることでした。でも同社が必要としていたのは、迅速な設計改良と、様々な少量センサー部品をコスト効率良く生産することを可能とする柔軟な製造ソリューションだったのです。

 

ソリューション:迅速な設計改良を追加コストなしで実現

Dynamical 3Dは、CarbonのDigital Light Synthesis™技術がTRFの放射能センサーにとって理想的な製造ソリューションであることを見出しました。TRFにとって、複数部品それぞれに対する繰り返しの設計変更が、追加コストなしで可能となるためです。

 

TRFの放射能センサー用プローブを再設計

 

Carbonが提供する強くて耐久性のある3D造形材料

TRFは、放射性物質への曝露に耐え、自動車産業並みに要求の厳しい分野の要件を満たし認証が得られる強靭な材料を使用して、センサーを製作する必要がありました。Dynamical 3Dは、Carbonのエポキシ材料(EPX 82)(長期耐久性に優れた高強度材料)がTRFの材料要件を満たしていることを見出しました。少量のガラス繊維を充填した熱可塑性樹脂に匹敵する機械的特性を有するCarbonのEPX 82は、自動車用コネクタ、ブラケット、ハウジングなどの様々な高性能部品に必要とされる機能的な靭性を備えます。

 

3D造形の少量生産をコスト効率よく実現

Carbonを使用することで、TRFは短中期運転時生産の高額な金型コストが不要となりました。さらに、Dynamical 3Dは、センサー部品を密に入れ子にすることで生産プロセスを最適化しました。TRFは、射出成形の代わりにCarbon DLS™技術を使用してセンサーを3D造形することで、最終的に70%のコスト削減を実現しました。

 

部品の密な入れ子で TRF センサー生産用のビルドプラットフォームスペースを最適化

 

Carbon少量生産

Dynamical 3DはCarbonのDLS™技術を使用して、TRFがたび重なる設計改良を迅速に実行し、厳しい材料要件を満たしながら著しいコスト削減を可能とすることによって、放射能センサーの再設計と製造を支援しました。現時点でDynamical 3Dは50セットを製造しており、需要に応じてTRF放射能センサーの生産を増やしていく予定です。