デジタル製造における常時接続

常時接続されたデバイスの価値

製造装置の常時接続は、オペレーションとサービスの効率を向上させます。Carbonの3D 製造ソリューションは、全面的なデジタルワークフロー、継続的な改善、最新のソフトウェアツールへのアクセスも提供します。堅牢なネットワークアーキテクチャにより、Carbonは顧客の部品ファイルの管理と、常時接続の利点を両立させます。

製造装置を常時接続する主な利点は、効率的にオペレーションを監視、管理しながら、ハードウェアを更新できることです。常時接続は、システムを遠隔監視するため、顧客サポートを促進します。専門家が正確なマシンパラメータを使用し、遠隔でトラブルシューティングを行うことにより、顧客が問題に関連する周辺情報を認識し伝達する必要がなくなります。コネクテッドデバイスからオペレーションデータを得て、パフォーマンスの低下を監視し、生産に影響を与えそうな問題を事前に解決するよう担当者に警告を出せるため、より正確な予防保守が可能になります。

常時接続したハードウェアは、Carbonの3D 製造ソリューションオペレーションの土台となるものです。Carbonは、プリンタや関連機器(この文書ではデバイスと呼びます)に新機能を追加する更新情報を送信し、造形パラメータの最適化、より良いワークフローツール、新たにリリースされた樹脂への対応を即座に反映します。CarbonはOTA(Over The Air)による更新を通じて新しいデザイン機能を提供する予定です。クラウドベースのソフトウェアツールにより、高度な自動サポート配置を含む、自動部品デザインが可能となります。さらに、Carbonカスタマーサポート担当者は、顧客の装置からオペレーションと構成データを直接入手して問題を再現して解決するため、優れたサービスを提供できます。Carbonは、顧客のオペレーションデータを継続的に監視して、顧客の問題を予測、予防します。

常時接続にはセキュリティに関する十分な理解が必要です。ここでは、顧客先でのCarbon設置状況、Carbonサーバーへの接続状況、また、世界で最もセキュリティ意識が高い自動車メーカー、航空宇宙会社、ブランド消費財メーカーを含む、フォーチュン100社の数社がCarbonへの常時接続を受け入れている状況を説明します。

 

「Carbonの100%包括的なサービスとサポートにより、常にビジネスの立ち上げと運営に集中できています。」

Christian Saurman
NEO Labs

 

接続性、セキュリティ、コントロールを提供する

Carbonの常時接続フレームワークは、顧客の造形データとオペレーションデータを区別して、常時接続の利点を維持しつつ顧客情報を保護します。

常時接続、セキュリティ、コントロール

アーキテクチャ:データ管理と保護

プリンタやパーツウォッシャーを含むCarbonデバイスは、顧客の拠点にあり、顧客のファイアウォールの内部で動作するように構成されています。顧客は、コンピュータ上のブラウザからプリンタに直接アクセスするため、ファイルの準備と造形はファイアウォール内で行われます。Carbonデバイスは、安全なCarbonサーバーにのみ接続します。サーバー間で送受信されるすべてのデータは暗号化され、保護されます。データは、CarbonデバイスまたはCarbonサーバーによって復号化されます。デバイスにログインすると、クラウドを活用してユーザーを認証し、造形権限を確認します。

運転にかかわるメタデータはCarbonに自動送信されます。このデータには、造形時間、プリンタエラー、およびセンサ測定値が含まれます。Carbonはデータを分析して傾向と異常を探し、メンテナンスの必要性を予測し、Carbonテクニカルサポートが予防保守を提供できるようにします。Carbonテクニカルパートナーが造形ごとのデバイス設定とメタデータをすぐに利用できるため、トラブルシューティングを効率的に行えます。

 

データ保管と送信

初期設定では、すべての顧客造形データはローカルデバイスにのみ保存され、Carbonサーバーにアップロードされません。顧客の承認後、特定プロジェクトの3D造形データをCarbonに送信して、造形のトラブルシューティングや設計支援に活用します。インターフェースによりデータ開示に関する注意を喚起するように設計されているので、ファイルを送信するすべてのユーザーは、自分が何をしているのかを認識しており、そうする意図があることを確認する必要があります。

Carbonの造形インタフェースでは、造形物のヘルプを要求することはシームレスです。顧客が部品を共有することを選択した場合、それは明確にラベルが付けられており、Carbonと部品を共有することを確認する必要があります。
図2:Carbonの造形インターフェースでは、造形物のヘルプを要求することはシームレスです。顧客が部品を共有することを選択した場合、それは明確にラベルが付けられており、Carbonと部品を共有することを確認する必要があります。

 

OTAソフトウェアアップデート

Carbonサーバーは、デバイスにも情報を送信することができます。プリンタのオペレーションに影響を与えるコードの変更は定期的に更新情報が送信され、新機能の追加、バグの修正が行われます。およそ6週間から8週間ごとに更新情報が配信されます。更新準備が整うと、顧客には更新情報が通知され、いつインストールするか選べます。改良版キャリブレーションデータと新しい樹脂のサポートは、サーバーとの定期的な通信で更新されます。状況によっては、Carbonが設定ファイルで顧客の問題を解決できます。たとえば、補聴器カスタム品のメーカーEarlens Corporationは、代表的な設計データをCarbonと共有し、独自の補聴器の製造に使用する量産金型の精度を向上するために、CarbonのOTAソフトウェア更新機能を利用しました。詳細はこちらをご覧ください。

プリンタ更新用ソフトウェアのブラウザ表示。稼働時間を最大にするためにいつインストールするかを選択できます。
図3:プリンタ更新用ソフトウェアのブラウザ表示。稼働時間を最大にするためにいつインストールするかを選択できます。

データセキュリティ

Carbonは顧客にデータ保護の追加ツールを提供します。顧客はプロジェクトごとに造形データの暗号化を選択できます。顧客は、プロジェクトごとにパスワードを指定する必要があります。このセキュリティは、プロジェクトごとに1つのパスワードを顧客のみが管理する方式です。 Carbonはマスターキーを保持せず、造形データのユーザーパスワードを回避できません。したがって、造形データを暗号化する顧客は、造形データへのアクセス確保のためにパスワードを保存することが不可欠です。

 

デジタル製造の基盤

Carbon機器との真のデジタルワークフローを実現するには、常時接続が不可欠です。常時接続は、継続的にオペレーションと装置の改善をもたらします。ソフトウェア更新は、およそ6週間から8週間ごとにCarbon機器の能力とパフォーマンスを向上させます。また、Carbonはサーバー上に、顧客が更新を必要とせずに活用できるデザイン機能を追加します。Carbon顧客は、絶え間ない効率的なサポートと予防メンテナンスのメリットを得られます。

セキュリティを犠牲にすることなく上記が可能となります。Carbon機器とCarbonサーバー間の通信は暗号化されており、顧客の造形データは、顧客がCarbon設計支援サポートを希望する場合にのみ送信されます。顧客は、プリンタ上でプロジェクトを暗号化して、プロジェクトをローカルで管理することもできます。